巨人は2018年12月6日、メジャーリーグのマリナーズを退団していた岩隈久志投手(37)と来季の選手契約を結ぶことに合意したことを発表した。今年9月にマリナーズを退団した岩隈は、球団からコーチの就任要請を受けていたが現役を希望。米国、日本の両国で移籍先を探していた。岩隈の日本球界復帰は楽天時代の11年以来となる。
巨人の大型補強第5弾は、日米通算170勝の大物右腕だった。現役メジャーリーガー、クリスチャン・ビヤヌエバ内野手(27)の獲得に始まり、中島宏之内野手(37)、炭谷銀仁朗捕手(31)、丸佳浩外野手(29)に続いての大型補強。投手陣では今オフ初の補強となった。
原監督の剛腕発揮で楽天との争奪戦にも完勝
ペナント奪回のためにはなりふりは構っていられない。球団史上3度目のワーストタイ記録となる4年連続V逸の指揮官が「剛腕」を発揮した。岩隈は2009年のWBCで日本代表のエースとして活躍。そこで指揮をとったのは原辰徳監督で、強い信頼関係で両者は結ばれている。
岩隈を巡っては、水面下で楽天が獲得に乗り出しており、古巣復帰が有力視されていた。これに対して巨人は当初から岩隈に興味を示し、獲得の可能性を匂わせていたが、ここにきて一気に事は動いた。正式契約は後日行われる予定で、同時に入団会見も行われる。
チーム編成に関して球団から全権を与えられている原監督は、これまで野手陣の補強に着手してきたが、投手陣の補強は手付かずだった。今季、チームの低迷の一因として投手陣の駒不足が挙げられ、今オフの先発投手の補強は必須だった。岩隈は右肩に不安があるものの、日米通算170勝の実績、経験値は高く、先発ローテンションの3番手、4番手としての期待がかかる。
「巨人の若手選手はやってられないですね」
一方、今オフに獲得した5選手の平均年齢は32歳で、今季までの若手育成の球団方針に逆行するベテラン勢の大型補強に、ファンから批判の声が上がっている。
「岩隈さんと中島さんが悪いわけではないけれど、若手に切り替えるというスタンスはどーなったの?」
「ここまで補強しなくても若くていい投手と助っ人が巨人にはたくさん居てると思うんだけどね」
「このチームには金があるらしいが、節操というものがない」
「巨人の若手選手はやってられないですね」
ここまでの各球団の補強状況をみると、巨人の5選手が他を圧倒している。今オフのFAの目玉のひとりだった、浅村栄斗内野手は楽天、オリックスから自由契約となった金子千尋投手は日本ハムが獲得。オリックスからFA宣言した西勇輝投手は阪神への移籍が濃厚で、各球団いずれも補強に関しては序盤戦の段階だ。
補強戦略で苦戦する今季日本一のソフトバンクとは対照的に、来季のV奪回へ着々と選手を獲得する巨人。今後も手を緩めずに補強を続けていく構えで、なりふり構わずに栄光を取り戻す。