積極的なJPXと慎重だった東商取
統合に積極的なのがJPX。2017年の株式売買代金は世界5位の5.8兆ドル(約650兆円)だが、ライバルの欧米勢は、原油や金など商品先物も1カ所で取引できる総合取引所が主流。JPXは東商取との統合によって商品ラインアップを増やし、国際競争力を高めたいという立場。JPXの清田瞭・最高経営責任者(CEO)は10月24日、東商取との統合について、「政府も前向きに取り組んでいただける状態になった。時間をかける問題ではない」と話し、早期実現を目指す考えを示す。
対する東商取は商品取引の低迷で、2018年3月期の取引高は2537万枚と過去10年でほぼ半減しており、株式会社化後の2009年3月期から10期連続で最終(当期)赤字と、経営は苦しい。ただ、JPXが金融庁所管なのに対し、東商取は経済産業省と農林水産省が監督しており、JPXに飲み込まれることへの抵抗感は強い。統合の具体的な協議も行われていなかった。
今回、JPXと東商取が経営協議に合意したのは、規制改革推進会議が10月12日に総合取引所の実現に向けて本格議論を始めたのを受けてのこと。渋っていた東商取の翻意は、その背後にいる経産省が統合にゴーサインを出したことを意味する。