村田諒太は「王座」へ返り咲けるか 「ファイタータイプ」の功罪

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10人の世界王者が村田の標的

   12ラウンドを戦い抜いて、村田が放ったパンチは774発で、1ラウンドで平均すると64発。対するブラントは12ラウンドで1262発ものパンチを放った。ポイントに直結するヒット数をみると、村田の180発に対してブラントは実に356発のパンチをヒットさせた。

   村田は米国人のボブ・アラム氏とプロモート契約を結んでおり、世界戦の舞台に立つとすれば米国のリングとなる可能性が高い。ただ、近年の米国の採点傾向を見る限り、手数の少ない現行の村田のボクシングスタイルでは世界王座返り咲きは厳しいものになるだろう。

   一方で、世界王座返り咲きに向けて、選択肢をミドル級とスーパーミドル級の2つにしたことで、そのチャンスは広がりを見せる。現在、日本が認定する主要4団体(WBA・WBC・IBF・WBO)において、ミドル級世界王者は5人、スーパーミドル級の世界王者も5人存在し、計10人の世界王者がそれぞれの団体で王座に君臨している。

   団体数と王者の数が一致しないのは、WBAがミドル級、スーパーミドル級でそれぞれスーパー王者とレギュラー王者を置いているためで、WBAでは1階級に2人の世界王者が存在する。村田がWBAミドル級のレギュラー王者だった時も、サウル・アルバレス(メキシコ)が同級のスーパー王者のベルトを巻いていた。

   「伝統のミドル級」はアルバレスの台頭で、その注目度、ファイトマネーはいまやヘビー級をしのぐほどである。このミドル級戦線に復帰するには、しばらく時間がかかりそうだが「流れがきたら風に乗ればいい」と、村田に焦りはない。

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