早大ラグビー部、3年生の「原石」 斎藤&中野が日本を背負う日も近いか

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   伝統の「赤黒ジャージ」――。創部100年を迎えた早大ラグビー部が、2018年12月2日、秩父宮ラグビー場で歓喜の雄たけびを上げた。

   観客2万2256人――。満員の秩父宮ラグビー場(東京・青山)で、「ワセダ」が躍動した。伝統の一戦、体格に勝る明大を素早い出足のタックルで止めまくった。また、ターンオーバー(密集で相手のボールを奪い取るプレー)などから、得意の「展開」で一気にゴールへとなだれ込む。創部100周年の今年、「対抗戦グループ王者」にふさわしい試合だった。

   そんな中、2019年に日本で開催されるラグビーW杯で代表選出されるかもしれない「原石」を見た。SH(スクラムハーフ)の齋藤直人選手(3年=桐蔭学園)、CTB(センタースリーウオーターバックス)の中野将伍選手(3年=東筑)だ。

  • 2018年11月25日、都内ホテルで行われた「早大ラグビー部創部100周年」記念式典での展示
    2018年11月25日、都内ホテルで行われた「早大ラグビー部創部100周年」記念式典での展示
  • 2018年11月25日、都内ホテルで行われた「早大ラグビー部創部100周年」記念式典での展示

宿敵・明大に31-27、薄氷の勝利で...

   まず、齋藤選手から紹介していこう。165センチと小柄だが「パス裁き」や「ボールの嗅覚」といったところは、抜きんでている。周りの大きなFW選手を「羊使い」のごとく操り、敵陣へと誘導していくなど、ゲームメークに長けている選手である。

   そして中野選手。福岡県立東筑高出身で、186センチ、96キロというFW並みの恵まれた体を持つ。そのサイズを生かした突破力やタックル、ランニングスキルやパスセンスなど、「超大学級プレーヤー」と言ってもいい。

   明大も中野選手を警戒し、果敢にタックルを試みた。しかし、体格とスピードを生かして後半14分、19分と連続トライ。同試合のMVPに選ばれるなど、100周年に花を添えた。

「いいスペースに走りこめた」
「『ディフェンスで勝つ』マインドを、みんなが持っていた。アグレッシブに前に詰めて、相手に考える時間を与えないことができた」

と、試合後、一部メディアにそう語っている。

ライバル帝京大と同じ「1位」で迎える大学選手権

   今年の「関東大学ラグビー対抗戦」は、近年まれにみる大混戦となった。早大は、優勝候補筆頭の帝京大に負け、その帝京大は明大に敗戦。そして、早大は明大を4点差で退け、早慶戦でも慶大に競り勝った。また、明大が慶大に敗れるなど、戦国時代並みの「群雄割拠」となっている。

つまり、

・帝京大(6勝1敗=1位)
・早大(6勝1敗=1位、勝敗数が並んだ場合は同順位となるが、当該校同士の対戦成績で帝京大より下)
・慶大(5勝2敗=3位)
・明大(5勝2敗=3位、しかし慶大に負けたため、慶大より下)

という図式だ。要は「四巴ジャンケン」の形となり、どこがどうなるか、30年以上、ラグビーを見続けている記者でも、予想がつかない。

   そんな中で「原石」の輝きを見せている早大の齋藤選手と中野選手。101年目を迎える2019年、大学選手権の活躍次第によっては、W杯で日本代表「桜のジャージ」が、身にまとえるかもしれない。

(J-CASTニュース編集部 山田大介)

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