JR五日市線で起きたシカとの衝突事故の対応をめぐり、JR東日本労働組合八王子地方本部(東京都八王子市、以下労組)が、「必要な場所への要員配置を怠った会社の経営判断の誤り」だったと批判している。
事故は2018年10月18日18時49分ごろ、武蔵五日市~武蔵増戸駅間で起きた。電車がシカと衝突し、車両下にシカが挟まってしまった。事故では乗員だけでの対応が難しかったため、乗客に協力を依頼。線路上で乗員とともにシカの搬出にあたった。
安全・衛生面に疑問符
労組が10月29日に発表したリリースと、J-CASTニュースが12月3日にJR東日本八王子支社広報課へ取材したところによると、乗員が関係社員に作業要請をしたところ、「現場に到着するのが 30 分以上かかる」「乗務員だけでは搬出は困難」との理由で、乗員・乗客で搬出をするよう指示があった。そのため、乗員2人と依頼に応じた5人の乗客でシカを撤去した。同様の事例は初めてだという。
労組は、架線から電気を受け取るパンタグラフが降りておらず感電の危険があり、さらに衛生上にも問題があったとして対応を批判。「そもそも『お客さまを線路に降ろさない』ことは大前提のはず」とも指摘している。
今回の原因は「"運行優先体質"と"必要な場所への要員配置を怠った会社の経営判断の誤り"」だとして再発防止などを訴えた。
今回の対応については、12月2日ごろに一般のツイッターユーザーが言及しネット上でも議論に。「これはダメでしょ...」「客に一定の協力を求めることは当然です」と賛否両論あがっている。