日本野球機構(NPB)は2018年12月2日、各球団が来季も契約する権利を持つ保留選手名簿と、名簿から外れた自由契約選手123人を発表した。今シーズン、MLBから巨人に復帰し、シーズン終了後に左膝の手術を受けた巨人・上原浩治投手(43)は名簿から外れた。
今シーズン、10年ぶりに日本球界に復帰して注目を集めた上原投手。今年3月に巨人復帰が決定し、満足のいく調整が出来ないままシーズン入りしたため、序盤戦は苦しいマウンドが続いた。だが、中盤戦から終盤戦にかけてベテランらしい老獪な投球術で巨人のリリーフ陣を支えた。
背景には「人的補償」が?
シーズン終了後の10月23日に左膝のクリーニング手術を受け、左膝の回復経過を見極める必要性から球団、原辰徳監督と話し合った上で10月29日に自由契約となった。これは左膝の回復次第では巨人との再契約の可能性を残すことを意味しており、現在も継続していると考えてよいだろう。
上原投手は現在、米国でリハビリに励んでいるが、上原投手が渡米してからの間、FA補強で巨人に大きな動きがあった。11月26日には西武・炭谷銀仁朗捕手がFAで巨人に移籍し、その4日後の30日には広島・丸佳浩外野手の入団が決まった。
炭谷捕手、丸外野手のFA移籍に伴ってFAによる人的補償が想定される。西武、広島が人的補償を望めば、巨人はプロテクトされた28選手を除く、来季契約する権利を持つ保留選手名簿をそれぞれの球団に提出しなければならない。
上原投手が保留選手名簿に残った場合、巨人は上原投手の流出を防ぐためにプロテクトする必要が出てくる。だが、自由契約選手として名簿から外れれば、その必要がなく、一人分のプロテクト選手が浮くことになる。他球団の関係者は、これらの事情を踏まえた上で、巨人はまだ結論を出していないのではないかと推測する。