「議論に値しない」とバッサリ
飯間さんはカフェーパウリスタの公式サイトに記載してある内容について、いずれも「銀ブラ」が「ブラジルコーヒーを飲むこと」の証明にはならないという。たしかにサイトにあげられている3人の文化人(水島爾保布、佐藤春夫、安藤更正)による文献の一部は、「銀ブラ=ブラジルコーヒーを飲むこと」と明記したものではない。
ではほかの根拠はどうだろうか。たとえば新聞記事などでは、作家の久保田万太郎が「ブラジルコーヒー説」に言及した、と紹介されることがある。たとえば1999年1月17日に産経新聞に掲載された記事には「作家・久保田万太郎は『一杯五銭の珈琲を飲みにパウリスタに行くことを銀ブラと言った。これが銀ブラの語源である』と書き残した」という一文がある。
だがこれについて聞いてみると、飯間さんは「その一文が書かれた文献は見当たりません」と話す。
改めて日経テレコンの新聞データベースで確認したところ、久保田万太郎の一文を取り上げた記事はいくつか散見されるが、該当の文献名を明記したものは見当たらなかった。2008年11月29日の高知新聞では「誰かに教えたくなる老舗の底力」(本間之英/篠田達著、講談社)に記載があるとしているが、この書籍にも文献名の明記はない。
飯間さんはJ-CASTニュースの取材に対し、「(銀ブラの語源は)議論に値しない。その水準に達していない」「諸説あり、としたら何でもありになってしまう」とも話していた。一方、J-CASTニュースが11月19日にTBSの広報担当者に確認したところ、「放送内容に問題はないと考えております」との回答が返ってきた。