「エイズ免疫の赤ちゃん」が投じた波紋 「深圳だからこそ」、なのか?

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   中国南方科技大学(広東省深圳市)の賀建奎副教授の研究チームが2018年11月26日、ゲノム編集でエイズウイルス(HIV)への免疫を生まれつき持たせた、双子の女児を健康に誕生させたと発表し、中国全体から、ほぼ一致して批判が巻き起こっている。通常、新たな研究成果が発表されると、中国国内の世論は肯定的評価を与えがちなのに。

   科学研究の多くの方面で画期的成果をあげている深?という都市。電気自動車製造のBYD、ドローン製造のDJI、IT企業のテンセント――。バイオテクノロジーでも深圳の研究開発は非常に進んでいることを、賀チームの「成果」は新たに人々に知らせることになった。

  • 「賀氏の研究への反対コメントを紹介する中国のウエブサイト」
    「賀氏の研究への反対コメントを紹介する中国のウエブサイト」
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「衝撃受けた」と大学

   賀氏は1984年生まれ。2006年に中国科学技術大学で現代物理学の学士を取った後、米国に留学し、2010年に米ライス大学で生物物理学の博士号を取得。 米国などの研究倫理について一定の知識を持つ。

   しかし彼は、HIVが細胞に侵入する入り口となるたんぱく質の働きを遺伝子操作で抑えれば、エイズへの免疫作用が生まれると考えた。遺伝子改変を経て、エイズへの免疫を持った赤ちゃんが生まれたというわけだ。

   賀氏の属する大学は速やかに発表した声明で、「衝撃を受けた」と述べ、「この研究は賀氏が学外で行ったもので、大学や所属する生物学部には報告されておらず、大学側が関知するところではない」と表明した。大学の学術委員会は、賀氏の遺伝子改変に人体を使ったことについて、「学問倫理とルールに激しく違反している」との態度だ。

   11月27日には、中国の122人の科学者が、今回の遺伝子改変を非難する声明を連名で発表するなど、賀氏の研究に、国内世論はほぼ一致して反対意見を示している。

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