プロ野球・巨人で低迷する森福允彦投手(31)が来季に向け年俸30%ダウンで契約更改し、「自分を見つめ直す」と決意を述べたが、ファンの失笑を買ってしまっている。
というのも、前年の更改時、まったく同じように「自分を見つめ直す」と言っていたためだ。ツイッター上では「まだ見つめ直してるのか」「見つめ直す(変わるとは言っていない)」などとネタにされているが、無理もない。フリーエージェント(FA)で巨人入りしてからの2年間、その年俸に見合った活躍ができているとは言い難い。
「来年は一花咲かせられるようにしたい」
巨人2年目のシーズンを終えた森福は2018年11月28日、契約更改交渉に臨み、年俸1億2000万円から3600万円減の8400万円(金額は推定)でサインした。今季1軍登板はわずか2試合。防御率13.50に終わり、7月以降は2軍生活が続いていた。
スポーツ紙の同日の報道を総合すると、更改直後の会見では「今年1年は情けない1年だった。この2年間、悔しい思いしかない。来年は一花咲かせられるようにしたい」と不甲斐なさを噛みしめた。そしてインターネット上で注目を集めたのが、
「自分を見つめ直すところから始めたい」
という発言だ。
実は森福、前年の契約更改後の会見でも、まったく同じフレーズを使っていた。17年11月29日の複数スポーツ紙の報道によれば、年俸は据え置きの1億2000万円でサイン。オフの自主トレは単独で宮古島で行うとして、
「自分を見つめ直したい」
と語ったのだという。同年は30試合登板、1勝3敗、防御率3.05と、金額と当初の期待に見合うだけの活躍ができなかった。特に日刊スポーツについては、両年の見出しが、
「巨人森福、3600万減でサイン『自分見つめ直す』」(18年11月28日)
「巨人森福1.2億現状維持で更改『自分見つめ直す』」(17年11月29日)
と、セリフの部分が全く同じだった。
あるツイッターユーザーが「2年連続で同じこと言ってるって、森福の学習能力どうなってんの」と投稿すると、野球ファンの間で拡散し、
「爆笑してしまった」
「こいついっつも自分見直してんな」
「何回見つめ直したら気がすむんだろう」
「見つめ直す(変わるとは言っていない)」
と呆れ声がこだました。
ファン感で「素通り」される動画
ファンの溜め息も無理はないかもしれない。森福は16年まで所属したソフトバンク時代、「左キラー」の異名を持ったものの、特定の打者のみを抑えるワンポイント起用からの脱却を模索。イニングを託されるリリーフとなって、まさに「一花咲かせよう」とでもいうべき意気込みで同年オフ、フリーエージェント(FA)で巨人入りした。
だが左腕の輝きは鈍かった。17年はわずか7試合の登板で0勝2敗、防御率5.40で4月に2軍落ち。5月中旬に1軍復帰するも、すぐにソフトバンク時代と同じワンポイント起用に落ち着いてしまった。7月の広島戦では、2塁牽制死した田中広輔内野手の方向に、中指を立てるような仕草を見せて物議も醸している。その後、ワンポイントの役割も十分に果たせなくなり、8月以降は再び2軍生活を送ることになった。
そんな巨人1年目を終えての「自分を見つめ直す」発言だったのだろうが、18年は輪をかけて成績が振るわなかったのは上記の通り。チームが中継ぎ左腕不足にあえぐ中でも存在感を発揮できず、1軍生活は3週間程度だった。
ファンの「呆れ」が表出する形になったのが、11月23日のファン感謝デー。選手とハイタッチを交わせるエリアで、目の前に森福が立っているにもかかわらず、素通りする来場客。スタッフと顔を見合わせる森福――。そんな場面をとらえた動画が同日ツイッターで拡散されると、「ちょっとかわいそう」という同情もあった一方で、「自業自得」「むしろなぜ巨人ファンに愛される要素があると思ったのか」などといった声も続々とあがることになった。
来季も巨人で戦う。「今年は何にもしてないのに良い身分だな、完全に不良債権」「もっと減俸していいと思う」などと批判も多いが、
「森福来年は頑張ってほしい」
「来年はしっかり本来の力を出して」
とエールもまた多い。今オフ「自分を見つめ直す」ことができるのか。