ファン感で「素通り」される動画
ファンの溜め息も無理はないかもしれない。森福は16年まで所属したソフトバンク時代、「左キラー」の異名を持ったものの、特定の打者のみを抑えるワンポイント起用からの脱却を模索。イニングを託されるリリーフとなって、まさに「一花咲かせよう」とでもいうべき意気込みで同年オフ、フリーエージェント(FA)で巨人入りした。
だが左腕の輝きは鈍かった。17年はわずか7試合の登板で0勝2敗、防御率5.40で4月に2軍落ち。5月中旬に1軍復帰するも、すぐにソフトバンク時代と同じワンポイント起用に落ち着いてしまった。7月の広島戦では、2塁牽制死した田中広輔内野手の方向に、中指を立てるような仕草を見せて物議も醸している。その後、ワンポイントの役割も十分に果たせなくなり、8月以降は再び2軍生活を送ることになった。
そんな巨人1年目を終えての「自分を見つめ直す」発言だったのだろうが、18年は輪をかけて成績が振るわなかったのは上記の通り。チームが中継ぎ左腕不足にあえぐ中でも存在感を発揮できず、1軍生活は3週間程度だった。
ファンの「呆れ」が表出する形になったのが、11月23日のファン感謝デー。選手とハイタッチを交わせるエリアで、目の前に森福が立っているにもかかわらず、素通りする来場客。スタッフと顔を見合わせる森福――。そんな場面をとらえた動画が同日ツイッターで拡散されると、「ちょっとかわいそう」という同情もあった一方で、「自業自得」「むしろなぜ巨人ファンに愛される要素があると思ったのか」などといった声も続々とあがることになった。
来季も巨人で戦う。「今年は何にもしてないのに良い身分だな、完全に不良債権」「もっと減俸していいと思う」などと批判も多いが、
「森福来年は頑張ってほしい」
「来年はしっかり本来の力を出して」
とエールもまた多い。今オフ「自分を見つめ直す」ことができるのか。