「新しい血」加わるのはむしろ広島か
また、1993年に巨人初のFA移籍選手となった元中日の落合博満氏は、広島のセ・リーグ4連覇を予言。この日、都内で行われた「2018スカパー!ドラマティック・サヨナラ賞 年間大賞」の表彰式に出席した落合氏は「(広島が)4連覇する可能性って非常に高いと思いますよ」と、来季、広島の大きな戦力ダウンはないとの見解を示した。
2018年度の年俸がチームで2番目に高額とされる2億1000万円(金額は推定)の丸外野手は、FA制度においてAランクの選手となり、広島が巨人に対して金銭プラス人的補償を望むことが可能となる。
これに対して巨人は28人まで人的補償選手のプロテクトが可能で、広島はプロテクトから漏れた選手を人的補償として獲得することが出来る。
2013年には大竹寛投手がFA権を行使して広島から巨人に移籍した際、広島は大竹投手の人的補償として22歳の一岡竜司投手を獲得。一岡は移籍した年から1軍のマウンドに上がり、今季は59試合に登板して6勝をマーク。来季の年俸は、2400万円増の7700万円(金額は推定)と、大きく飛躍した。
広島が丸外野手の人的補償を求める場合、選手層の厚い野手陣を避け、若く将来性のある投手を選択すると想定される。巨人では出番がなく燻ぶっていた一岡のような若手の投手が、出場の機会を与えられることで大化けする可能性も十分あり、加えて広島は若手育成に定評があるだけに、より一層、チーム力の強化が見込まれる。
炭谷銀仁朗捕手に続いて丸外野手の獲得で、FAの大型補強に成功した巨人。これに対してチーム内の新陳代謝を行うことで新戦力の台頭が期待される広島。「新しい血」によってチームが活性化するのは巨人ではなく、広島かもしれない。