京都府内の女子中学生が自撮りの裸画像をネット上で売りに出し、画像を買った会社員男性ら5人が、児童ポルノ法違反(自己性的目的所持)の疑いで書類送検された。
しかし、中学生が罪に問われなかったため、疑問や批判がネット上で相次いでいる。J-CASTニュースでは、京都府警に話を聞いた。
画像を買った男性5人は、書類送検されたが...
京都府警の少年課などによると、中学2年の女子生徒(13)は、ツイッター上で「画像売ります」と自ら持ちかけていた。これに対し、大阪府和泉市内の会社員ら24~50歳の男性5人が2018年3月19~26日、女子生徒から自撮りした裸の画像や動画を1000~5000円で購入し、自宅のパソコンなどに保存した疑いが持たれている。
実際の売買は、スマホのフリーマーケットアプリ「ラクマ」の決済機能を使って行っていた。府警少年課と向日町署では、11月28日に男性5人を送検している。
京都新聞のウェブ版記事でこの内容が報じられると、ネット掲示板などでは、女子生徒が処罰されないことについて次々に異論が書き込まれた。
「売った方は??」
「なんで女のほうは罰せられないの」
「さすがに違和感を感じます」
「買った方だけ捌いてもなんの解決にもならねえだろ」...
女子生徒はなぜ、児童ポルノ法の処罰対象にならなかったのだろうか。
この点について、児童を巡る犯罪に詳しい奥村徹弁護士は30日、J-CASTニュースの取材にこう答えた。
「児童を保護する法律であり、総合的に判断した」
「型式的には、児童ポルノ法の提供目的製造罪と提供罪になります。警察も女子生徒の立件を検討せざるをえなくなりますが、実際に補導などをするかは、警察の裁量によりますね。今回は、警察が大目に見たということでしょう」
京都府は18年7月、自撮り画像を送らせる被害が発生しているとして、児童ポルノの提供を求める行為を処罰する青少年健全育成条例改正を行っている。奥村弁護士は、児童を被害者と位置付けるこの条例改正も念頭に置いて、警察が女子生徒を厳しく処分しなかった可能性も指摘した。
京都府警の少年課は11月30日、「女子生徒は特段処罰していない」と取材に答え、そのことは条例改正とは関係ないとしたうえで、次のように理由を説明した。
「14歳未満の触法事案については、大人と同じ考え方にはなりません。児童ポルノ法は、児童を保護するための法律ですので、こうしたことも考えて、総合的に判断しました。そもそも、今回の事件は、児童ポルノを買う人がいるから起きており、ほしい人が違法性も知りながらネット上で探していたというものになります」
事件が発覚したのは、女子生徒が自らの裸の画像を売った後に不安になり、府警に相談してきたことからだったという。
ただ、少年課では、「被疑者的な対応はしていませんが、今後はこうしたことはしないように指導していきます。子供ですので、継続的な立ち直り支援をしているところです」と話している。
(J-CASTニュース編集部 野口博之)