村田諒太、WBO世界ランクから除外されていた 揺れる進退の行方

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   ボクシングの元WBA世界ミドル級王者・村田諒太(帝拳)が、WBO(世界ボクシング機構)の世界ランキングから除外されていることが2018年11月30日、判明した。WBOは今月27日にミドル級最新ランキングを発表したが、村田は世界王座に挑戦可能な世界15位以内にランクされなかった。

   日本のボクシング界が現在、世界の主要団体として認可しているのは、WBA(世界ボクシング協会)、WBC(世界ボクシング評議会)、IBF(国際ボクシング連盟)、WBOの4団体。日本では、この4団体以外で世界王座を獲得した選手を正式な世界王者として認めていない。

   WBAのベルトを獲得した村田は、10月20日に米ラスベガスで挑戦者にロブ・ブラント(米国)を迎えて2度目の防衛戦に臨んだが、0-3の判定で敗れて王座陥落。試合後、進退に関しては「すぐに答えが出ることじゃない」と保留していた。

   村田が進退を明らかにしなかったことで、各団体はミドル級の世界ランキングに村田をランクインさせた。ベルトを保持していたWBAは10月31日に最新ランキングを発表し、村田はミドル級で6位。IBFは11月5日に更新して7位、11月14日に更新したWBCでは村田は6位にランクインしている。

  • 村田諒太選手(2018年9月撮影)
    村田諒太選手(2018年9月撮影)
  • 村田諒太選手(2018年9月撮影)

主要4団体でWBOだけがランク外のなぜ?

   WBOは村田の王座陥落以降、ランキングを更新しておらず、主要4団体で最も遅い11月27日の更新となったが、15位以内に村田はランクインしなかった。

   異なる団体の世界王者とはいえ、1カ月前まで世界王者だった選手が、翌月の世界ランキングから除外されるのは異例のこと。実際、WBC、IBFでは世界王座に挑戦可能な15位以内にランクされており、主要4団体でWBOだけが村田を世界ランキングから除外している。

   このケースで考えられるのは、WBO以外の団体で村田の世界戦が決定した場合と村田の引退である。通常、団体が世界ランキングを作成する際、選手により多くの世界戦の機会を与えるため、その団体以外の団体で世界戦が決まっている選手は世界ランキングから除外する。引退を表明した場合も同様にランキングから即座に除外される。

   現時点において村田が正式に引退を表明していないことから、WBO以外の団体で世界戦を行う可能性が浮上してきた。

   村田が現役続行を選択した場合、一番可能性が高いとされていたのが、ブラントとのリマッチだ。ブラントは、村田をプロモートする米国のトップランク社と契約を結んでおり、リマッチに関しては大きな障害はないとみられていた。

   ただ、現行のルールでは原則として世界戦のダイレクトリマッチは禁じられている。また、米国のボクシング専門誌「リング誌」が、来年2月15日にブラントが米国で初防衛戦を計画していると報じており、これが実施されれば、村田との対戦は早くても来夏以降となるだろう。

現役続行ならばダイレクトで世界戦の可能性も

   調整試合を挟まずにダイレクトで世界王座に挑戦するのならば、WBOは世界ランク外ということもあり、WBCもしくはIBFのどちらかが候補となってくる。

   WBCのミドル級は、重量級のスーパースター、サウル・アルバレス(メキシコ)が正規王者に君臨し、その一方でジャーモール・チャーロ(米国)が暫定王者として存在している。チャーロは今年4月に暫定王座決定戦での勝利以降、現在までタイトル戦を行っていない。

   また、IBFのミドル級は10月27日にダニエル・ジェイコブス(米国)が王座を獲得したばかり。初防衛戦の日程及び挑戦者について発表されておらず、通常の試合間隔では来春にも初防衛戦が行われるとみられる。

   村田が進退を決断するにあたって最も大きな要因となるのがモチベーションだろう。2012年ロンドン五輪で金メダリストを獲得してアマチュアの頂点に立ち、プロの世界でも頂点に立った。日本人として初めてアマチュアとプロで世界を極めただけに、今後、数試合の調整試合を挟んでの世界戦は考えにくく、現役続行ならばダイレクトの世界戦が想定される。

   「引退」と「現役続行」で大きく揺れる元世界王者は、年内にも自身の進退に関して決断を行う見通しだ。

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