大阪大学のマスコット「ワニ博士」の性格に、「東京大学へのライバル心」が表れているのではないかとしてインターネット上で話題を呼んだ。
それは「イチョウ」をめぐる設定。1枚の葉っぱの前ではルンルン気分で踊っているのだが、2枚になると「なぜか」落ち着きがなくなる――。これが両大学の「シンボルマーク」と密接にリンクしているというのだ。
広報「大体見当がつくのではないかと思います」
話題を集めたのは2018年11月27日のツイッター上の投稿。ワニ博士を紹介する阪大公式サイトをスクリーンショットしているのだが、注目すべきはサイト内の「特筆すべきこと」という項目だ。
ワニ博士は「イチョウがお好き」だとして、1枚のイチョウの葉っぱを前に、歌でも口ずさむような笑顔で両手を広げているイラストがまず1枚。ところがその下に、
「2枚になるとなぜか落ち着きをなくされます」
として、クロスする2枚の葉っぱを前に、口を真一文字に結んだ渋い顔で腕を組むイラストが掲載されている。
示唆的なのはここから。阪大のシンボルマークは「1枚のイチョウの葉っぱ」をかたどったものだが、東大のそれは「2枚のイチョウの葉っぱ」でデザインされているのだ。それも、ワニ博士が渋い顔をする2枚の葉っぱは、東大のマークと角度やクロスの仕方がほぼ一致。「なぜか」落ち着きをなくすとの説明だが、日本の最高学府を意識していると勘繰らざるを得ない。上記の投稿者は両大学のマークの画像もアップし、「阪大が公式に敵視してて草」とツッコんだ。投稿は6000以上「いいね」がつき、「露骨すぎる」「ふぇー上手くできてるなぁ」などと反響も相次いだ。
J-CASTニュースが29日、阪大に「『なぜか』とは何なのか」と取材で問い合わせると、企画部広報課の担当者は、一瞬の間を置いて、
「大体見当がつくのではないかと思います」
と回答した。
「日本の大学といえば一番有名なのは東京大学さんなので」
「東大を意識しているか」と聞くと、苦笑いしながら、
「見る人が見たらそう思われるかもしれませんね。日本の大学といえば一番有名なのは東京大学さんなので、ワニ博士も気にしているのではないかなと思います。ライバル視しているとかでは全然ありませんよ。ワニ博士はすごく温厚な方ですので」
と話していた。
ワニ博士は14年4月に公式マスコットとして誕生。公式サイトによると、かつて阪大豊中キャンパスの新校舎工事現場でワニの化石が発見されたのがモチーフの由来で、「阪大の『知性』と大阪独自の『明るさ』が化学反応」して生まれたという。性格は、「温厚」のほか、「好奇心旺盛」「たまに天然」「賢い」などコンセプトを反映しているようだ。担当者によれば「阪大生にはかなり浸透していて、熱心に応援してくれたり、ワニ博士のストラップをカバンにつけたりしている学生もいます」という。
「特筆すべきこと」については「ユーモアの要素があってもいいだろうということで、話し合いの末に決まりました。見て読んで、楽しんでもらえたらいいなと思います」と話していた。