「パン屋ですがトングでカチカチ威嚇するのやめてください」
2018年11月22日、インターネット掲示板「2ちゃんねる」では上記のタイトルのスレッドがたった。投稿主は続けて「あれ意外と消耗品なんですぅ...」と理由を投稿している。トングが消耗するなんてことが本当にあるのだろうか――?
「当社の製品においてはあまり当てはまらない」
「2ちゃんねる」では投稿主に対して、「楽しいんだよ、いいだろ?」「ついやっちゃうわ」「トングのバネの具合を確認してる」といった声が寄せられている。一方、パン屋関係者と思われる投稿主は、
「さきっぽが削れるからカチカチしないで」
「勢いよくカチカチはしないで ゆっくり力を入れるようにやさしく握って」
「カチカチするから消耗がはやまるの」
と、必死に抵抗を続けている。
記者も少しだけパン屋で働いたことがあるが、このような話は初めて聞いた。J-CASTニュースは18年11月29日、仏壇金具やキッチンツールを製造する「田辺金具」(新潟県燕市)を取材した。
田辺金具は1955年に設立、2005年から業務向けトングを含むキッチンツールに事業展開したという。営業担当者は、「当社の製品においては」と前置きしたうえで、
「当社の製品においてはあまり当てはまらないと思います。バネの部分は半永久的に使っていただけます。力を入れたり、無理に開いたりしない限りはないと思います」
と話した。これはあくまで田辺金具の話で、「ほかの製品によっては折れるものを使っている方もいるかもしれません」とのことだ。
カチカチの耐久性は「100万回はできるのでは」
営業担当者によれば、トングの先の部分においても「カチカチくらいでは消耗しないです。間違った使い方で、先が曲がっちゃうことはあるかもしれません」とのこと。話を聞く限り、田辺金具の製品においては通常と異なる使い方をしなければ大丈夫なようだ。
田辺金具のトングは一般財団法人「日用金属製品検査センター」の検査を受けており、10万回の「カチカチ」にバネが耐えることができると証明されている。それ以上は検査を続けなかったため10万回が上限というわけではなく、「100万回はできるのではないでしょうか」と営業担当者は話している。