出入国管理法改正案の衆院審議をめぐり、菅義偉官房長官と東京新聞記者の間で、「強行に採決」が行われたのかどうかについて、正反対の認識が示された。
長官会見で、記者が「強硬に採決が行われたが...」と質問したのに対し、菅氏は「強行採決なんか、やってません」「全く事実と違うことの質問はすべきではないですよ」と反論した。質疑はかみ合わないまま終わった。
「強行に採決が行われたが...」「強行採決なんか、やってません」
2018年11月28日午後の菅長官会見で、東京新聞の女性記者が
「入管法改正についてお伺いします。(衆院法務委員会で)実質13時間という短い審議で強行に採決が行われたが、(長官は午前会見で)『しっかり質疑できた』という趣旨の発言をされました。(略)何をしっかり議論できたとお考えですか」
と質問した。菅氏は
「強行採決なんか、やってません」
「そういう全く事実と違うことの質問は、それはすべきじゃないですよ」
と反論した。これに対し、記者は同趣旨の質問を繰り返したあと、
「財界の要望ありきで採決が行われ、労働者の視点での議論が行われず、国会が軽視されているという批判が出ています。今回のような審議の対応で問題ないとお考えですか」
と追加で質した。菅氏は
「大変申し訳ないが、誰がそう言ってるんですか」
と逆質問。数秒、間が空いて進行役の男性が
「はい、ありがとうございました」
と会見を締めくくった。