「積み上げた実績や能力は、他の業界でも応用できる」
30代特有の転職のポイントについて語った
30代は「実績・経験重視」。そうなると、「異業種」にチャレンジしたいと思っても、実績がないためアピールするのが難しいのではないかとも思える。だが板倉氏は「違う業界への転職でも、実績でアピールする方法はあります」と話す。
「業界が違っても、『こういうやり方で企画を成功させた』『こういう工夫をして営業で一番になれた』といったことを説明できれば、評価する企業は多いです。
人事担当者もこれまでに色々な人材を見てきています。多様な業界で色々な実績・経験のある人が、自社に入ってからどのような活躍を見せているか。それについて分析している会社も多いでしょう。ですから転職希望者は堂々と誠実に説明すれば、業界が違っても評価してもらえます。我々転職エージェントも、異業種に転職する場合のアピールの仕方についてのアドバイスもしています」
「実績重視」と言っても、「受けようとする会社の事業内容・職種に対して、自分の経験・実績が完全に一致していなくてもいい。積み上げた実績や能力は、他の業種・業界でも応用できる」と板倉氏は言う。
「マネジメントであれば、何人のチームで、就任時に比べてどれだけ成績がアップしたか、具体的に数字で説明することが必要です。また、マネジメントの仕方が会社にマッチするかを見られることもあります。自分が先頭に立って引っ張ってきたとか、部下が自発的に動くようモチベーションを上げる工夫をしてきたとか、自分の『スタイル』が説明できるようにしておくといいでしょう。
しかし30代であれば、過去のスタイルにとらわれず新しいスタイルを取り入れることもまだ可能です。『今までこうしてきたが、もっとこういう要素を取り入れたい』といった反省点を示すと、受ける企業からは成長する可能性があると見てもらえるでしょう。ただ、それでも30代に対する評価軸としては『実績7割・ポテンシャル3割』という現実は忘れてはいけません」