入管法改正案、「ザル」なのに衆院通過した理由

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国民民主が対案を衆院で出せなかった理由

   実は立憲民主党が11月16日に葉梨氏の解任決議案を提出したが、法案が実質審議入りする前日の20日に本会議で自民、公明両党などの反対多数で否決されている。解任決議案は1回しか出せないため、野党は葉梨氏が決めたスケジュールに対してなすすべがなくなった。

   後者は、対案をめぐる問題だ。国民民主は11月21日の総務会で対案をまとめている。半年間法案の施行を延期し、(1)地方への人材確保への配慮(2)産業別・地域別の受け入れ上限の設置、などが骨子で、参院法務委員会で実質審議入りする11月29日にも提出したい考えだ。これを衆院で提出できなかった理由を、玉木雄一郎代表は11月28日の定例会見で、

「対案というのは『議論をしてくださいよ』という意思表示でもあり、定例日以外に(委員会を)立てていることを認めることにもなる。ちょっとあの状況では、中々出す環境は整わなかった」

と説明。戦術ミスが尾を引いたことをにじませた。さらに、

「他党にも呼びかけはしていきたいが、共同提出という形になるかどうかについては、相手もある話。こういった交渉事についても、一義的には参院に委ねたい」

とも話し、野党の足並みが揃うかどうかも不透明だ。

   日本維新の会は賛成に回った。法律施行後の見直し規定を「3年後」から「2年後」に修正することで与党と合意したためだ。馬場伸幸幹事長は11月27日の会見で

「他の野党も、もっと建設的な議論を行ったうえで、集積をきっちりと求めていくべきではなかったか」

と話した。

(J-CASTニュース編集部 工藤博司)

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