「形骸化」訴える朝日など、手放し歓迎の産経
「脱原発」の朝日、毎日、東京の3紙は、まず「40年ルールの形骸化」をこぞって危惧する。
朝日(11月8日)は「人口が密集し事故時の避難が難しい首都圏の老朽原発を、原則を超えて長く動かす正当な理由は見当たらない」としたうえで、「運転期間の『40年ルール』は、設計が古い原発の退場を促すための規制で、東京電力福島第一原発の事故後に強化された安全対策の柱の一つだ。規制委が認めれば20年の延長もできるが、導入時、政府は『極めて限定的なケース』と説明した」と指摘。毎日(9日)も「規制委は今回を含め申請された原発4基の延長をすべて認めた」と批判。東京(10日)は「その中で、東海第二はさらに例外、あるいは特別だ」として、福島第1と同型のBWRであること、大震災で実際に津波の被害に遭って外部交流電源と非常用電源の一部を失ったことなどを挙げ、「(大震災での)強い揺れによる原子炉への影響も、本当にないのかどうか、不安が残る」と指摘する。
一方、原発を認める3紙は、これを基本的に問題にはしない。特に、規制委の決定を評価するのが産経(9日)で、「福島事故によって原発の新増設は、困難な状況が続いている。そうした中で、規制委の厳格な安全審査と運転延長審査に合格した高経年原発の運転延長は、電力の安定供給に資するものとして歓迎したい。......BWRの初復活という点でも大きな意味を持つ」ともろ手放しで歓迎。40年ルールについて「原発の大部分の設備は、定期検査の際などに新品に交換されている。交換できない部分は問題となる劣化のないことが確認されている。そのため、運転年数を重ねていても全体の老朽化は進んでいないことを理解しておきたい」と、規制委を全面的に支持する。