「大都市近接」が課題に
他方、原電は再稼働に必要な地元同意について、3月に立地自治体の茨城県と東海村以外の周辺5市にも「実質的な事前了解権」を広げる全国初の安全協定を結んだ。5市の一つ、同県那珂市の海野徹市長が再稼働反対の意向を明らかにしたが、海野氏はその後、2019年2月の市長選に出ないと表明したため、再稼動を左右する選挙として注目されそうだ。
地元同意と絡んで大きな課題が、30キロ圏内に義務付けられる避難計画だ。首都圏唯一の原発で、東京からの距離は福島第1の半分の120キロ、30キロ以内に96万人が住むという世界屈指といわれる「大都市近接原発」で、圏内14市町村で避難計画を策定できたのは3市のみだ。
こうした問題を抱える東海第2の延長認可には、大手紙6紙がそろって社説(産経は「主張」)で取り上げたが、避難計画や地元同意などの問題指摘、慎重な対応はそれなりに共通する部分もあるが、原発への姿勢の違いを反映して、再稼動慎重論と推進論が交錯している。