徳利は「注ぎ口使ってはいけない」 ネット拡散の日本酒作法、本当に「マナー」として存在するのか

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「徳利の作り手としての常識とは考えていません」

   美濃焼の老舗窯元で徳利のラインナップが豊富なあるメーカーの担当者は、取材に対し「注ぎ口から注いではいけないという話自体は聞いたことがあります」とする一方で、

「徳利の作り手としての常識とは考えていませんし、お客様にご案内することもありません。ただ、酒席で『話のネタ』として用いられることはあるようです。私どもが存じ上げていないだけで、でっち上げのマナーだとも言い切れません」

と話す。また、インターネット上でも「マナー」だとする情報が出回っていることを伝えると、

「もし本当にマナーだとしたら、日本酒の普及団体や酒造組合が啓蒙すると思います。そうなれば当社でも柔軟に対応します。注ぎ口がとがった徳利も製造しておりますので、デザインを微調整しないといけないでしょう。お客様に、反対側の丸い方から注いでくださいとご案内することも必要かもしれません」

との考えを述べた。

   徳利自体は「切れが良くなく、とがっている方、丸い方のどちらから注いでも基本的に垂れます。日本酒は水より粘性があり、物を伝いやすいのです」という。それでも口の一部をとがらせているのは「方向性を持って細く流れるようになりますし、シズル感のあるデザインにもなるからではないかと思います」としていた。

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