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無免許運転のエピソードも

   数日後、記者の手元に『カルロス・ゴーン物語』が届いた。

   ハードカバー仕立てで、表紙には貫禄たっぷりのゴーン氏が描かれている。なかなか高級感ある装丁だ。「THE TRUE STORY OF CARLOS GHOSN」の英題とともに、

「企業再生の答がここにある!!」

という力強い惹句が記されている。

   さて、内容だ。タイトルの通り、少年時代から始まり、経営者として日産再建にひとまずの成功を収めるまでの半生が、数々のユニークなエピソードを交えて描かれている。同時期に刊行され、ベストセラーになった自著『ルネッサンス』(ダイヤモンド社、2001年)と比べると、ミシュラン入社までの青春時代の比重が大きいのが特徴的だ。特に少年時代については、ひそかに無免許で親の車を運転したり、クラクションの音だけで車種を当てたり、といったカーマニアぶりがなかなかアツい。

   また、妻のリタ氏との出会い、そして彼女の献身的な愛情もたっぷりと。そのリタ氏はすでに離婚し、「週刊文春」などにさんざんゴーン氏批判を口にしているのだが――。

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