あなたは知っているだろうか。あの日産前会長、カルロス・ゴーン容疑者が、かつて漫画の主人公になっていたことを――。
時は2001年。ゴーン氏は日産で推し進めた「リバイバル」改革が軌道に乗り、まさに時の人となっていた。そんなゴーン氏の元に、ある申し出が届く。
「あなたのことを漫画にするという案があります。いかがでしょうか?」
仏ル・モンドも取り上げた
「あとがき」によれば、ゴーン氏は一瞬驚きの表情を見せた。しかしすぐに、「それは面白そうだ。日本で漫画の人気が高いのは知っている」と快諾したという。
そうして生まれたのが、漫画『カルロス・ゴーン物語』だ。小学館の青年コミック誌「ビッグコミックスペリオール」で短期連載され、2002年に単行本化された。
それから16年。ご存じの通り、ゴーン氏は今や「容疑者」に。そんな中で、海外メディアを中心に、本作への注目が高まっている。たとえば仏ル・モンド(ウェブ版)は、
「カルロス・ゴーンがマンガの主人公だったころ」(2018年11月20日)
のタイトルで、漫画の内容や当時の反響などを紹介した。このほか、英BBC、米ブルームバーグなど、ゴーン氏逮捕を報じた少なくない記事が、「マンガ」の存在に触れている。ゴーン氏の存在の大きさを示す、そしていかにも「日本らしい」現象として、おそらくは海外メディアの目には映るのだろう。一方、日本メディアではいまのところ、ほとんど言及が見られない。
いったいどんな漫画なのだろうか。