NHKの公式ツイッターの1つが、2ちゃんねる(5ちゃんねる)でかつて盛り上がったある「事件」について、「地上波で扱えない」と言及して話題になっている。
「伝説の『鮫島スレ』について語ろう」。2ちゃんで2001年5月24日、「事件」について、こんなタイトルのスレッドが立ち上がった。
「平成ネット史」の番組をやるが、「地上波で扱えない」と
立ち上げ主は、2ちゃんで見た「鮫島スレ」にショックを受けたといい、誰かスレを保存していないか呼びかけた。これが、いわゆる「鮫島事件」が知られるようになったきっかけだ。
2005年刊行の『2典 第3版』(宝島社)は、上記のスレについて説明しつつ、以下のように解説している。
「2ch草創期に起こったとされる事件のこと。(中略)具体的な地名や学校名といった断片的な情報がまことしやかに語られ、『本当のことは教えてもらえないが、何かあるらしい』という印象を残した。(中略)ネタであるというのが、現在の定説」
この「事件」を取り上げたのが、NHK平成ネット史(仮)の公式ツイッターだ。
NHKの公式サイトなどによると、「平成ネット史(仮)」の番組がEテレで19年1月2、3日にそれぞれ前編、後篇の放送が予定されている。2ちゃんからインスタ映え、フェイクニュースなどまで、ネットに詳しいゲストを迎えて20余年の歴史を振り返るという内容になっている。
ツイッター上では、「皆さんの #平成ネット史 を教えてください。中の人は、ポケベル・ピッチ世代です」と呼びかけており、その際に「鮫島事件」の要望があったらしい。11月24日に、こう回答をつぶやいた。
「期待されてる方もおられるようですが、 #平成ネット史 とは言っても、さすがに地上波で鮫島事件を扱うことは出来ません。ご容赦ください」
2ちゃんなどでは、「鮫島事件」は当時、いわば都市伝説のネタになっていた。
「語ってはいけない」とされ、何か情報が書き込まれる度に「お前、それ以上書き込むと消されるぞ」「公安が絡んでる。やばすぎる」「遺族のことを考えろ」などと警告される。
「ノリが古い」「このネタももう終わった証拠だな」
今回のNHK投稿でも、直後からツイッター上で「それに触れたらやばい」「やはり裏にはあの組織が!?」「おま...消されるぞ」といった心配の声も相次いだ。
この「お約束」を意識してか、NHKの公式ツイッターでは、投稿の10数分後には、こう返していた。
「おや、誰か来たようだ」
鮫島事件については、この都市伝説をテーマにした映画「2ちゃんねるの呪い 劇場版」(永江二朗監督)も2011年に公開され、そのときぐらいまでは話題が続いた。しかし、その後は話題にされることが少なくなっており、NHK投稿について、当の2ちゃんでは、こんな冷ややかな書き込みが多数派だ。
「ノリが古い」「いつまでクソ寒いネタ引っ張ってんだよ」「お前らこう言うの好きだろwと言ってるのが透けて見える」「NHKがこういうのやりはじめたらこのネタももう終わった証拠だな」...
もっとも、書き込みの中には、「いやネット史を振り返る企画なんだから古いのは許してやれよ」といった擁護もあった。
(J-CASTニュース編集部 野口博之)