「安倍首相に頑張ってもらうしか...」 与党幹部がつぶやく理由

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   「外交の安倍」。そんな言葉があるほど、安倍晋三首相にとって外交での「成果」は(賛否両論があるにせよ)セールスポイントの一つだ。

   しかし直近の世界情勢は、そんな首相を試すように、厳しさの度を増している。中間選挙を終えて来日したマイク・ペンス米副大統領が早速、「(日米間の)貿易不均衡はあまりにも長く続いている」と不満をぶちまけるひとコマがあるなど、トランプ政権の強硬姿勢に拍車がかかるとの警戒感が高まり、また日中、日露関係も絡むこの状況。安倍首相は果たして乗り切ることができるか――。

  • 13日、ペンス副大統領と握手を交わす安倍首相。その胸の内は(首相官邸ウェブサイトより)
    13日、ペンス副大統領と握手を交わす安倍首相。その胸の内は(首相官邸ウェブサイトより)
  • 13日、ペンス副大統領と握手を交わす安倍首相。その胸の内は(首相官邸ウェブサイトより)

ペンスの本音「FTAについて...」

   中間選挙後の米政権幹部との初の会談となった13日の安倍晋三首相とペンス副大統領の会談は、対中国をはじめとする外交・安保と、年明け開始の日米「物品貿易協定(TAG)」交渉が2大テーマだった。このうち対中国では日米が緊密に連携することで一致した。

   一方、日米の貿易問題については、会談後の記者発表で副大統領は「米国の商品やサービスは、あまりに多くの貿易面の障壁に直面し、日本市場で公正に競争できなかった」と述べた。米農産品への関税や、「非関税障壁」と批判してきた日本の自動車安全基準などが念頭にあるとみられ、「貿易協定がまとまれば、物品だけでなく、サービスなどの重要分野でも(貿易上の)条件を定めると確信している」と指摘した。

   日本は安倍首相が、サービスなども包括的に含む「自由貿易協定(FTA)交渉はしない」と「公約」してきた手前、モノの貿易に絞った「TAG」だと説明しているが、ペンス副大統領は来日前の12日、ツイッターに「安倍首相とFTAについて議論する」と投稿したように、事実上のFTA交渉にすることも含め、日本に対し、通商面では厳しい姿勢で臨んでくるのは必至だ。

   米側の姿勢は、中間選挙により、一段と硬化するとの見方が強いようだ。

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