「一部の人だけが盛り上がって...」 大阪万博決定も街には温度差

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「朝のニュースで知りました」

   とはいえ、そんな盛り上がりに沸いていたはずの大阪の街は、じつは意外にも冷めていた。お祭り騒ぎで「恒例」の道頓堀川への「ダイブ」騒ぎもなく、

「(メディアに)カメラ向けられれば、『うれしい』って言うに決まってるじゃん」(20代男性)

といった声や、

「テレビをつけて、朝のニュースで知りました」(50代男性)

という人は少なくなかった。

   今週、大阪ではニュース番組などが「万博特集」を組み、1970年の大阪万博を振り返ったり、「対抗馬」と目されたロシア・エカテリンブルグの情報とともに、「票読み」を予測してみたりと、「招致ムード」を醸成しようと熱が入ったが、「議員さんや、商店街や企業の幹部の人などの、一部の人だけが盛り上がっていた感じ」だったという。

   大阪万博に冷ややかな見方がある背景には、会場となる「夢洲」のせいかもしれない。大阪にとって、夢洲は「負の遺産」といわれる。大阪が招致を試みた2008年の夏季オリンピックの会場候補地とされたが、これに敗れた。それを万博招致に切り替える一方で、最近ではカジノを含む統合型リゾート(IR)を誘致する計画も浮上する。

   ただ、このカジノ計画には反対の声が少なくないほか、「万博招致に失敗すれば、交通アクセスなどを含め、事業者負担が増してIR構想も頓挫する」との見方があった。

   経済産業省によると、大阪万博2025の経済効果は約2兆円。万博開催決定は、こうした経済効果が見込めるほか、IR誘致に反対する人の声をも封じ込める「絶好の材料」なのだから、政府や大阪府、財界関係者が大喜びするわけだ。

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