サイバーセキュリティ基本法改正案を担当する桜田義孝・五輪相が、自身がサイバーセキュリティを担当する事に不安の声が挙がっていることに対し、反論を展開した。
自分ではパソコンを打たないと明言し、USBをめぐる国会答弁もかみ合わず、「(USBを)知らない」との指摘が出ていた。しかし、桜田大臣は国会で「判断力は私は抜群だと思っております」と断言し、サイバーセキュリティ分野の職務遂行に自信をみせた。
「今日もかみ合わない」答弁
2018年11月21日の衆院内閣委員会では、斉木武志議員(国民民主)が質問に立った。14日の委員会で、桜田大臣とUSBをめぐるやりとりを展開した議員だ。
14日の議論はかみ合わず、桜田大臣の答弁をめぐっては、国内外のメディアで「USBを理解していない」との報道が出た。海外メディアで驚いたり、茶化したりする記事が相次いだことは、J-CASTニュースも16日の配信記事(~桜田五輪相、PC出来なさすぎて海外で『大人気』に)で紹介した。
そして今回、21日。斉木議員が、こうした海外報道の内容を指摘すると、桜田大臣は
「世界で私の名前が知られたのかな、と。良いか悪いかは別しまして、有名になったんだなと」
と満更でもなさそうな受け止め方を示した。
この日も、桜田大臣がサイバーセキュリティ戦略を担当する資質について質したが、「今日もかみ合わない」「全く質問にお答え頂けない」(斉木議員)といった状況が続いた。
桜田大臣は、サイバーセキュリティの取り組みは、優秀なスタッフを含めた「国家の総力を挙げた」ものであり、大臣一人が行うものではない、と何度も説明。斉木議員が「ある程度、(自身で)理解していないと、優秀なスタッフ・専門家に指示ができないのではないか」と疑問を呈したが、桜田大臣は
「出来ます!」
と一言だけ答弁し、席に座った。
ハッカーによる日本攻撃の「呼び水になるのでは?」と質問
斉木議員の持ち時間も終わりが近付き、議員は、桜田大臣が職にとどまることで、世界中のハッカーが日本を攻撃対象として狙うことの「呼び水になってしまう、とは思わないのか」と質問。これに対し、桜田大臣は
「先ほども申した通り、私一人がやるわけじゃないんですよ。ね!私より有能な人間、いろいろな能力を総結集してジャッジしてやるのが私の仕事なんですよ」
と、身振り手振りを交えつつ反論。最後は、
「判断力は私は抜群だと思っております!能力に疑いは持っておりませんっ!!」
と、強い口調で断言した。
斉木議員は、
「(関連する)言葉が分からないと、ジャッジの仕様はないですよ」
と指摘して質問を締めくくった。
桜田大臣による、力強い「判断力は私は抜群だと思っております」発言が出たが、先の14日のUSB騒動を報じるワシントン・ポストは、桜田大臣が16年に慰安婦について「職業としての娼婦」と発言し撤回に追い込まれたことに触れ、「軽率な発言をするという、積年の評判がある」と論評していた。