月曜の夕方に大きなニュースが飛び込んできた。日産自動車のカルロス・ゴーン会長(64)が「逮捕へ」という話だ。報酬を過少申告した疑いで、東京地検特捜部の捜査が入り、各メディアが相次いで報じた。ゴーン氏はほどなく逮捕された。
関係者はさぞかし驚いていることだろう...と思いきや、そうでもないようだ。会社が短時間の間に矢継ぎ早に対応を発表している。ゴーン会長をめぐり、「解職へ」「内部調査で重大な不正行為」と次々と明らかにした。むしろ、準備万端といった素早い展開だ。
社内で内部調査
2018年11月19日夕。17時15分に朝日新聞(ウェブ版)が「日産のカルロス・ゴーン会長逮捕へ 報酬過少申告の疑い」と報じた。
NHK(ウェブ版)も「ゴーン会長を事情聴取」(17時43分)、「ゴーン会長を逮捕へ」(18時2分)と伝える。その後の日産側の展開は早かった。NHKのネット報道をベースで時系列でまとめると、
「日産の広報担当者が、今夜9時以降、本社で記者会見を開く見通しを明らかに」(18時17分)
「ゴーン会長の会長の職と代表取締役の職を速やかに解くことを取締役会に提案すると発表」(18時43分)
「日産は内部調査の結果、ゴーン会長が会社の資金を私的に支出するなどの複数の重大な不正行為が認められたと発表」(18時49分)
こうしたニュースはテレビの速報でも報じられ、短時間の間で「ピロリ~ン」「ピロリ~ン」と速報を知らせる音が鳴り響いた。
そして、ゴーン会長逮捕のニュース(NHKウェブ版)が19時49分に流れた。
日産は数か月にわたり内部調査を進めてきており、検察当局に情報を提供したともメディアに説明している。