やらせ疑惑で揺れる人気バラエティー番組「世界の果てまでイッテQ!」に、レギュラーのイモトアヤコさんからメッセージ――? 視聴者からそんな声が上がる場面があった。
日本テレビの社長が会見で謝罪し頭を下げる事態に発展し、朝日・毎日両新聞の社説でも連日批判を受けるなか、イモトさんが海外ロケ先から出したクイズの「答え」に関して、ツイッターで「偶然なのか...」と不思議がる声も出ている。その回答は「忍耐」だった。番組に今必要なのは忍耐だ、という含意があるのでは、というわけだ。
謝罪後始まった企画の中で...
「イッテQ」は2018年11月18日の放送の冒頭、約1分15秒にわたり、文字画面と女性の声による読み上げで、一連の騒動について謝罪した。
「疑念を抱かせご心配をおかけする事態に至った」
「(問題となった祭り企画の一部で)開催実績や開催経緯などの説明に誤りがあった」
などと説明。文字画面は、文章が長いために分割され、最初の「番組をご覧のみなさまへ」の表示を含み計6画面が表示された。
こうして始まった18日の放送の前半企画は、イモトアヤコさんによる「ワールドツアー」で、ロケ先は西アフリカのガーナだった。日本の偉人として名高く、黄熱病の研究で知られる野口英世博士(1876~1928年)が研究中に没したのが現在のガーナの地であることを紹介し、現地にある記念の日本庭園からクイズを出した。野口博士が成功の秘訣として挙げた3点があるとして、「目的 正直 ●」と3点目の言葉は何か、と問題を出した。
回答者にレギュラーのNEWS手越祐也さんを指名。スタジオの手越さんは「平等!」と答えるも不正解。
映像中のイモトさんは、正解の言葉「忍耐」が刻まれている石碑を紹介し、
「祐也にぜひとも教えたい言葉」
「あなたに贈りたかった言葉」
と続けた。
朝日と毎日の社説でも批判
やりとりとしては、ロケ先映像の中のイモトさんとスタジオにいる手越さんとの間で交わされた(構成された)ものだったが、タイミングがタイミングだけに、「忍耐」の言葉についてツイッターでは、
「イッテQが忍耐せねば」
「『忍耐』という言葉 偶然か必然か 耐えて復活してください」
と、番組へのある種のメッセージになっているのでは、との受け止め方も出ていた。
もっとも18日の放送内容は、日本テレビが当初の強気の姿勢から一転して謝罪した、大久保好男社長の会見(15日)より前の、前週放送(11日)段階で告知されていた。
18日放送分の視聴率は16.5%(関東地区、ビデオリサーチ調べ)と、ほぼ前週並みの高水準を維持していた。しかし、番組をめぐっては、17日に朝日新聞が、18日には毎日新聞が社説で取り上げ批判した。朝日は「イッテQ疑惑 放送への信頼傷つけた」の見出しで、「日テレ自身のコメントにあるように『猛省』が必要だ」と指摘。毎日のタイトルは「『イッテQ』にやらせ疑惑 うやむやでは済まされぬ」だった。
番組への逆風はまだやみそうになく、しばらくは「忍耐」が求められることになりそうだ。