出川哲朗さん扮する「ニチガス・ニ・スルーノ三世」のテレビCMでおなじみの日本瓦斯(ニチガス、本社・東京都渋谷区)だが、「操作上の誤り」により顧客662人分のメールアドレスを流出させたとして、該当客1人1人に謝罪をしていることが分かった。
J-CASTニュースの取材に応じたニチガスの法務部担当者によると、流出の理由は、本来他の受信者にアドレスが見えない「BCC」で送信すべきところ、誤って受信者にアドレスが見える「CC」に入れて送信してしまったため。「あってはならないこと」だとし、今後セキュリティ指導の在り方などを見直していくとしている。
「メアドをCcに入れたメールが来た」
2018年11月16日夜、ツイッター上で「ニチガスから顧客のメアドをCcに入れたメールが来た」「ニチガスからキャンペーンのメールが来たと思ったら顧客のアドレスをcc:に入れて一斉送信」といった投稿が複数寄せられた。
アドレス部分が見えないよう加工したメール画面のスクリーンショットもアップされており、件名に「ニチガス」の文字が含まれているほか、送信者と宛先(TO)が「日本瓦斯(株)」となっている。一方、CC欄は縦に長く伸びており、相当数の顧客メールアドレスがズラリと並んでいるようだ。「bccと間違っちゃったんですかね」「大問題になりそう」と不安視する声も寄せられた。
ニチガスの法務部担当は19日、J-CASTニュースの取材に対し、顧客のメールアドレスが誤って流出したのは「事実です」と認めた。16日19時ごろ、電力事業に関する案内のメールを営業担当から顧客に送ったが、「操作上の誤りにより、本来BCCにすべきところをCCで送信してしまった」という。CCで送信された顧客アドレスは「662人分」に及ぶとしている。
「誤送信のメールは削除」のお願い
担当者によると、ニチガスは誤送信後、16日のうちから「お客様1人1人にお電話でお詫びのご連絡をさせていただいております。加えて、誤送信のメールは削除いただくようお願いもしております」と、顧客に個別で謝罪をしているという。また、19日昼時点で大きなトラブルの報告は受けていないとしている。
BCCにすべきところをCCで送信するミスによって顧客情報が流出した例は、担当者が把握している限り「初めて」。顧客対応を優先しながら、並行して詳細な事実確認を進めている。
担当者は「あってはならないこと」として、再発防止に向けて「セキュリティ指導の在り方を見直すとともに、システム周りの対策をしていく考えです。お客様の情報を取り扱う企業として、リテラシーを上げるための指導を徹底していきます」と話した。また「当社内だけでなくグループ会社を含めて、この事態の重要性を厳粛に受け止めたい」と話していた。