政権が「入管法改正」こだわる意外な理由 きっかけは9月の総裁選だった?

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「白紙委任」状態の理由とは

   外国人の公的医療保険も論点だ。留学ビザで来日した外国人が国民健康保険に入って高額な医療を受けたり、日本に居住している外国人が家族を来日させ高額医療を受けさせたりするなどの例があり、新在留資格によって外国人が増えると医療費が膨らむ懸念がある。これも、国会で議論になり、政府があわてて「日本国内に居住する扶養親族に限る」など要件を絞る検討を始めるといった具合。全体に「今後検討」「政令で定める」の乱発で、野党からは「白紙委任法案だ」との批判が出る。

   実は、9月の自民党総裁選で法案提出が早まったという観測もある。「国会議員、地方議員が業界団体、地元企業などに総裁選のお願いに回ると人手不足の切実な実態を訴えられ、総裁選のお礼、そして統一地方選・参院選対策として官邸がイケイケになった」(大手紙論説委員)ということで、2019年通常国会の予定が今臨時国会に前倒しになったという。

   大手紙の社説などの論調も、移民への距離感、法案への賛否の違いやその濃淡はあるが、政府の準備不足という「拙速批判」は朝日から産経まで、ほぼ一致している。このまま、数の力で押し切れるのだろうか。

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