裁判結果次第で影響を受ける可能性
さらに2018年10月下旬には、ライバルのボンバルディア社(カナダ)から「同社社員を雇用して機密情報を不正に得た」として提訴された。三菱航空機は飛行に必要な型式証明の取得が大幅に遅れたことで、それまでの自前開発主義を転換し、2015年ごろから外国人技術者の採用を始めている。宮永社長は「(三菱航空機に)過失はない」というが、裁判結果次第で影響を受ける可能性がある。
今回投じた2200億円は、三菱航空機の債務超過を解消し、初号機納入で売り上げが立つまでの最低限の支援に過ぎない。予定通り2020年半ばに初納入できたとしても、MRJの量産体制を構築し、収益が安定するまでにはさらに時間がかかる。リスクを承知のうえで巨額の資金を投じた三菱重工にとって、先の見えない戦いが続くことになる。