日中企業の「協力」可能か? 「第三国市場」開拓のカギを握るもの

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協力に迷っていた日本企業

   安倍首相訪中に際して、「第三国市場協力」、つまり事実上の「一帯一路協力」の主体は企業に託される形になった。だが、少なからぬ在中国の日本企業は、中国のどの企業と、どのように協力すべきか、かなり迷っていたのが実情だ。

   『財新ネット』の報道によると、かつて中信証券国際有限公司の理事長を務め、現在は清華大学産業発展・環境整備センター執行理事の徳地立人氏は、次のように指摘したという。

「結局のところ、(例えば「第三国市場協力」などの)このような経済活動の実行は、最終的には企業が自ら判断するものだ」

   徳地氏によれば、彼が中信在職中、東南アジア、アフリカ、南米などで中国企業が行なったプロジェクトの実地調査を進めたところ、

「中国企業と日本企業では、プロジェクトの進め方が異なっていることに気が付いた」

という。

   具体的には、どう異なるか。

「中国と日本企業の管理方法や文化が違う。技術をどう活用するかという考え方も違い、そもそも、言葉によるコミュニケーション自体にも障害がある」
「誰がプロジェクトをけん引して、どのように行ない、どのように分業するのか、さらにプロジェクト完成後の利益をどのように配分するのか等々、協力メカニズムを構築するのは極めて難しかった」

   中日両国企業の強みなどを分析したみずほ銀行のレポート(2017年末発表)によると、中国企業はグローバルな華僑ネットワーク、政府の資金援助および大規模な製造業を擁する強みを持つ一方、日本企業は、比較的早くに海外市場に進出したことをはじめ、ブランド力、民間金融機関の豊富な海外経験、多くの分野での技術力、経験などで優位性を発揮している。

   中日企業の違いは前々から指摘されていたことながら、こうした双方の強み、持ち味をどう折り合わせて、お互いにどのように「協力メカニズム」を作っていくか――。「第三国市場協力」開始という新たな局面によって、こうした課題が大きく突きつけられることになった。

(在北京ジャーナリスト 陳言)

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