「自分でパソコンを打つことはありません」――。サイバーセキュリティ基本法改正案を担当する桜田義孝五輪相のこの発言がきっかけで、日本のインターネット上では台湾・行政院(内閣)のデジタル総括政務委員に注目が集まっている。
両者のIT(情報技術)リテラシーを比較し、「かくして日本はまた周回遅れになる」とあきれる声が上がっている。
海外メディアも苦言
冒頭の発言は、2018年11月14日の国会答弁で飛び出した。
衆院内閣委員会で立憲民主党の今井雅人議員が「自分でパソコンはお使いになっていますか?」と質問すると、桜田氏は「そういうことは、常に従業員、あるいは秘書に指示することでやっております。自分でパソコンを打つということはありません」などと回答。これが国内外で話題になった。
15日付の米ニューヨーク・タイムズ紙(ウェブ版)が、「コンピューターを使わない人も多いだろうが、その多くは国家のサイバーセキュリティを担当してはいないだろう。でも、そういう人が実際にいるのだ」と皮肉を飛ばすほどで、ネット上でも桜田氏の資質を問う声が相次いだ。
一方で、桜田氏と近い立場ながら十分すぎる資質を持っているとして話題の人物がいる。台湾・行政院でデジタル総括政務委員を務める唐鳳氏(37)だ。