航空ファンの間では「聖地」として知られてきた沖縄県の下地島空港(宮古島市)に、久々に定期便が就航することになった。格安航空会社(LCC)のジェットスター・ジャパンが2018年11月15日、具体的な運航計画を発表した。
下地島に隣接する伊良部島では15年に伊良部大橋が開通し、宮古島と結ばれた。宮古島行きには、羽田からの直行便や那覇経由便を利用するのが一般的だったが、LCCの参入で価格破壊が起こる可能性もありそうだ。
JAL&ANAの訓練撤退で空港の使い道が問題に
下地島空港は、かつては日本航空(JAL)や全日空(ANA)がパイロットの訓練に使用し、ボーイング747型機をはじめとする大型機がコバルトブルーの海を背景に離着陸を繰り返す光景が「絶景スポット」として知られてきた。
1980年に当時の南西航空(現・日本トランスオーシャン航空)が那覇からの路線を開設したが、利用が伸び悩んで94年7月に運休。その後、JALとANAが下地島での訓練を取りやめ、中型機や小型機が訓練するのみになっていただめ、空港の使い道が問題になった。そこでLCCやビジネスジェットを誘致しようと、三菱地所が旅客ターミナルの整備を進めてきた。空港から宮古島の市街地は、タクシーやレンタカーが約25分で結ぶ予定。路線バスの開設も準備が進んでいる。
約24年ぶりとなる定期便は、旅客ターミナルの開業とタイミングを合わせる形で19年3月30日に就航。エアバスA320型機(180席)が約3時間30分をかけて成田空港と結ぶ。春休みと大型連休期間は1日1往復、それ以外の期間は月・金・土・日の週4回往復する。運賃は片道6990円から。就航記念として、片道385(みやこ)円のキャンペーン運賃も用意した。