2018年11月9日、テレビ朝日系で放送された「ドラえもん」(毎週金曜、19時)に、同局の人気ドラマ「相棒」の杉下右京(役=水谷豊さん)、冠城亘(役=反町隆史さん)が登場した。
「番組宣伝」(=番宣)としては、異色のコラボ。これが、ネット上でも話題となっている。
半年くらい前から企画を進めた
11月9日に放送された「ドラえもん」での一幕。ドラえもんとのび太がテレビで「相棒」を見ていたところ、のび太が「僕も相棒が欲しい!」と、ドラえもんに言ったことに端を発している。ドラえもんは、いつものごとくブツブツ言いながらも、四次元ポケットから「あい棒」というアイテムを取り出す。この「あい棒」を手に、のび太とスネ夫が一緒にジャイアンに立ち向かうという...というストーリーだ。
だが、記者も40年近く「ドラえもん」を見ているが、こういった番組同士の「コラボ企画」というのは、あまり記憶にない。ということで、J-CASTニュースは、「ドラえもん」番組プロデューサーを取材してみた。
すると、
「アニメなので、半年くらい前から企画を進めました。ドラえもんのオリジナルストーリーを作る際に、のび太とスネ夫が一緒にジャイアンに立ち向かうという話が面白いのではないか...というアイデアが出まして、そこで、二人が『相棒』になれるひみつ道具『あい棒』が誕生しました」
なるほど~。普段は、ジャイアンにいじられてばかりののび太。そののび太が、スネ夫とともにジャイアンへ復讐する...というところが原点のようだ。
ドラマチームは「快諾」
しかし、ドラえもんは、もはや国民的アニメだ。そこに、テレビ局の事情で、勝手に新しい「ひみつ道具」を作ってもいいのか? 周りからの意見は?
「ドラえもん」番組プロデューサーは
「『面白い』『斬新』という反応が多く安心しています。ストーリーができた際に、小学生の間でも人気が高いドラマ『相棒』とコラボできたら面白いのでは...という意見が出て、またドラマ『相棒』チーム側の快諾も得られて、楽しい企画が実現できました」
とのことだった。
ディテールにこだわっているところも面白い。
作中に出てくるテレビドラマの中でも杉下右京役の水谷豊さん、冠城亘役の反町隆史さんが声優を担当している。
「ドラえもん」番組プロデューサーは、
「ドラマ『相棒』が『ドラえもん』の世界の中で劇中劇として展開するという"二重構造"で、『細かいことが気になるのが僕の悪い癖』『おや、僕としたことが』という、右京おなじみのセリフ、右京が紅茶を注ぐシーンも盛り込み、『相棒』ファンの方々も楽しめる内容になっています」
ということだ。
「遺留捜査」に「科捜研の女」が登場
また、テレビ朝日は人気ドラマ「遺留捜査」内に、「科捜研の女」の主役・榊マリ子(役=沢口靖子さん)を登場させるなど、番組同士での「横の連携」を推進している。
「番宣」といえば、ドラマに出演する役者が、バラエティー番組等で告知する...といったパターンが一般的だったが、テレビ朝日は、その壁を打ち破った「新機軸」を模索しようとしているようだ。
今後の番組コラボについて同局は、
「現状では、特に予定はありません」
と話すが、テレビ朝日の「番組『横』連携」は、今後も目が離せない。