「セクハラへの認識の低い人」に分かってもらうために
このほかに、「セクハラを決めるのは、あなたではない!」を大きく強調すればよかった、女優などを起用して「これもセクハラ」と言わせる方が分かりやすい、といった意見も出た。
こうした反響ぶりは、雑誌、テレビなどでも相次ぎ取り上げられる事態にもなった。疑問や批判に対し、内閣府の暴力対策推進室は11月16日、「貴重なご意見として受け止めます」とJ-CASTニュースの取材に答えたが、ポスターの撤回などはない考えを改めて示した。その理由については、こう説明する。
「親しさを表していたとしても、相手の容姿、プライベートの何気ない一言が不快に感じられることもあるということを、セクハラへの認識の低い人にも理解してほしかったということです。今後は、その趣旨について丁寧に説明していきたいと思っています」
もっとも、ポスターについて擁護する向きもあり、「批判してるコメント、言掛りレベルだ」「意識のない層向けと考えるとおかしくはないと思う」「『確かになあ』と思ったし、啓発の意図はわかりました」などの書き込みがあった。
さらに、男性の発言はセクハラではないのではないかという声も一部であり、「痩せて綺麗になったって言われたら普通に男性から言われても嬉しいけど」「女性のご機嫌を過度に伺うために男性が生まれてきたんじゃない」との意見が出た。
暴力対策推進室の担当者は、男性の発言について、「その言葉自体がセクハラということではありませんが、相手がどう感じるかで不快にさせることもある言動ということです」と取材に説明した。ポスター作成に当たって広告代理店と相談したとしながらも、話題作りを狙ったことについては否定した。
(J-CASTニュース編集部 野口博之)