桜田義孝・五輪相(68)が、「パソコンを自分で打つことはありません」と国会で答弁し、話題になっている。桜田大臣が、政府のサイバーセキュリティ戦略の担当も兼務しているからだ。質問議員は「不安で仕方ない」と指摘し、多くのメディアが報じた。
朝日新聞は、社説でこのエピソードに触れて「『適材適所』には程遠い」閣僚の一人として桜田氏を挙げた。ところで、前任者や過去の担当大臣は、パソコンを自分で使っていたのだろうか。J-CASTニュースが、3人の元担当大臣の事務所に聞いてみた。
「自分でパソコンを打つということはありません」
「サイバー法案担当の桜田五輪相 『パソコン使わず』~」(時事通信)、「衆院内閣委 桜田氏、サイバー担当でもパソコン使わず」(毎日新聞)――2018年11月14日、各メディアのウェブ版記事にこんな見出しが躍った。この日の国会答弁をうけたものだ。
14日の衆院内閣委員会。今井雅人議員(立憲民主党・市民クラブ会派)が、サイバーセキュリティをめぐる桜田氏の「知見・経験」を質した。この流れのなかで、
「自分でパソコンはお使いになっていますか?」
と質問すると、桜田氏は
「私は25歳の時から自分で独立してやっております。そういうことは、常に従業員、あるいは秘書に指示することでやっております。自分でパソコンを打つということはありません」
と、きっぱりした口調で答えた。
衆議院が公開する動画を確認する限り、この回答のくだりで場内がどよめくような反応は確認できなかったが、今井氏は
「パソコンをいじったことがない方が、サイバーの空間のセキュリティ対策をするなんて、とても私には信じられない」
と指摘した。その後のやりとりのあと、
「私は不安で仕方ない」
との感想ももらした。
また、別議員との間ではUSBメモリに関する微妙なやりとりもあり、「サイバーセキュリティ担当、桜田氏はUSB知らず」(日刊スポーツ、15日ウェブ版)と報じるところも。
やりとりを伝える記事だけでなく、朝日新聞では16日の社説でも登場した。「閣僚の資質 『適材適所』には程遠い」の見出しで、桜田氏の先の国会答弁を取り上げ、
「就任から1カ月以上たつというのに、所管分野に関する基本的な問題意識がうかがえないのは、何としたことか」
「各国が喫緊の課題として力を入れているサイバーテロ対策を、日本政府が甘く見ているととられかねない」
と指摘した。