共産党は「全千島返還」要求
新会派「未来日本」の長島昭久衆院議員も
「『4島の帰属を解決して平和条約』で合意した1993年の東京宣言よりも後退したとの批判はあり得るが、当時のロシアは冷戦敗北の混沌の中で経済規模が最盛期の1/4にまで縮小し藁をも掴む窮状だったことを想起すべき。現状とは全く異なる」
と理解を示した。
こういった歓迎姿勢と最も距離がありそうなのが共産党だ。そもそも共産党は、公約などでは「北方領土問題」ではなく「千島問題」という用語を使っている。共産党のウェブサイトによると、1875年の樺太・千島交換条約を根拠に、
「択捉島、国後島の南千島はもちろん、千島列島全体が日本領です」
と主張。日本は1951年のサンフランシスコ講和条約で千島列島を放棄しているが、共産党は、カムチャッカ半島の手前まで続く千島列島全体の返還を求める立場だ。
「戦後処理の不公正をただして、千島列島を放棄した条項にとらわれず、全千島返還の交渉をするよう提案しています」
歯舞、色丹については
「千島ではなく北海道の一部であり、即時返還されるべき」
だとしている。
共産党の志位和夫委員長は11月15日の記者会見で、「2島先行返還」は「ありうる」としながらも、その際は「中間的な友好条約」を結ぶべきで、この段階での平和条約締結は「絶対やってはならない」と主張。平和条約を締結する際は、「全千島列島返還」を盛り込むべきだとした。
(J-CASTニュース編集部 工藤博司)