元徴用工訴訟の韓国最高裁判決で日韓関係が大幅に冷え込んでいる問題に、北朝鮮も「参戦」した。
これまでも北朝鮮は島根県の竹島(韓国名・独島)や慰安婦問題で、韓国の主張に同調する形で日本を非難してきたが、徴用工問題でも北朝鮮メディアが相次いで対日批判を展開。判決は「南朝鮮の民心の反映」だとして賠償を求めるなど、南北「共闘」が展開されている。
「わが民族の対日敵意を盛り上げるだけ」
朝鮮労働党の機関紙、労働新聞は2018年11月11日付で「過去の罪を否定する厚顔無恥な妄動」と題した論説記事を掲載。安倍晋三首相が判決を「国際法に照らしてあり得ない判断」などと非難したことなど、日本側が反発していることを「居直りと破廉恥性の極み」「過去の罪を回避しようとする島国野蛮人の厚顔無恥な本性」だと罵倒する一方で、韓国最高裁の判決を「日本の過去の罪の対価を必ず受けようという南朝鮮の民心の反映」だとして擁護。日本側の強硬姿勢は
「我が民族と国際社会の対日敵意をさらに盛り上げるだけ」
だと主張した。
11月13日には、国営朝鮮中央通信が「罪悪の代価を必ず払わせる」と題する、同様の論説記事を配信。日本側の対応を
「『破廉恥』や『鉄面皮』という表現でもっても形容しがたい実に図々しい乱暴」
だと主張。ここでも「民族」を強調しながら賠償を要求した。
「代を継いででも罪悪の代価を必ず払わせるというのが、朝鮮民族の意志である」