イオン九州の各店からポイント539万円分をだまし取ろうとしたとして、北海道石狩市内の無職の男(29)が福岡県警に詐欺未遂などの疑いで逮捕されたと報じられ、ネット上でその犯行ぶりに呆れる声が上がっている。
巧妙な手口ではあるものの、突っ込みどころがあるためだ。
来店回数の異常な多さに気づき、通報
横長のテーブルの上には、黒っぽいノートパソコンがずらりと40台ぐらい並んでいる。福岡県警が報道発表で公開したもので、これらが犯行に使われたという。
各メディアが報じたところによると、容疑者の男は、1回の来店で2円分のポイントがもらえるイオン九州のアプリを悪用した。2018年2月、自宅パソコンのGPS位置情報を偽装してアプリを起動し、3月に70回分のポイント140円相当をだまし取った疑い。さらに、3月1日から4月11日にかけて、71店ある九州の店舗を269万回来店したように装い、539万円相当のポイントをだまし取ろうとした疑いも持たれている。
しかし、イオン九州の担当者が来店回数の異常な多さに気づき、このポイントは付与されず、県警に被害届を出していた。
11月12日に逮捕された男は、調べに対して容疑を認め、「ポイントで買い物をしたかった」などと供述しているという。
福岡県警のサイバー犯罪対策課は13日、J-CASTニュースの取材に対し、男は、パソコン45台を自分で購入し、この台数をフル稼働してポイントを貯めようとしていた疑いがあると答えた。
「カードを1000枚ぐらい使わないと...」
「どんな目的があってパソコンを多数購入していたかなどについては、捜査中です。また、カードを1000枚ぐらい使わないと、40日間で270万回近くになるのは無理なんですね。それぞれのIDを使ってポイントを得ようとしていましたが、どのようにしてカードのIDを得たのかも今後の捜査になります」
イオン九州の71店を1人で毎日回ったとしても、1か月で4000ポイント超にしかならない。不審に思ったイオンの担当者が、カードのIDをたどると1人に集約されたといい、そのことから詐欺の疑いが浮上したという。なお、アプリの利用には、WAONカードやWAON POINTカードなどとの紐づけが必須だ。
ニュースのコメント欄などでは、容疑者の男について、「普通に考えたらバレル」「頭がいいのか悪いのか」「技術は有った 常識が無かった」などと突っ込みが入り、「その労力を他に使えよ...」との声も出ている。一方で、イオン九州のポイントについて、「システムにも問題がありそう」との指摘があった。
イオン九州は11月13日、今回の事件を受けて、同じ店舗への来店は1日1回で3店舗までの制限を設け、30分経たないと次の来店にならないようアプリのシステム改修を行ったことをホームページ上で発表した。
(J-CASTニュース編集部 野口博之)