復活の新谷仁美、記者が見た「成長の証」 空白の4年間で得たものとは

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走ることが嫌いで「もう二度と走ることはない」

   「走ることが嫌い」。これが新谷の口癖だった。現役時代から走ることが楽しいと感じたことがないと言っていた。ただその一方で、「走ることは仕事だから、走るからには必ず結果を出す」とも言っていた。

   競技に対してはどこまでもストイックだった。レースでは体重バランスが崩れるとして、腕時計やネックレスは一切着用せず、マニュキュアさえも塗ることはなかった。はたから見れば、そのストイックさは危うささえ感じさせるものだった。

   昨年5月にそれまで勤務していた会社を退職した。競技に復帰することは誰にも伝えずに会社を去っていったが、この4年間、陸上から離れ、外から冷静に競技と向かい合った結果、復帰の道を選択したのだろう。

「私は一度羽ばたき終わった人間なんですが、もう一度羽ばたけるように頑張りたい」

   走ることが嫌いで、「もう二度と走ることはない」と言っていた新谷が、空白の4年間で得たものは...。笑顔でゴールテープを切った新谷の耳たぶに金色のイヤリングが光っていたのが、成長の証だったと思う。

(J-CASTニュ-ス編集部 木村直樹)

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