トヨタはなぜ「サブスクリプション」に挑戦するか 戦略転換の背景

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このままでは「ジリ貧」の危機感

   これらの新たなサービスへの参入は、11月1日に名古屋市で開いた全国トヨタ販売店代表者会議で示した。その背景には、若者のクルマ離れやカーシェアの台頭で新車販売市場が頭打ちになる中、従来のビジネスや手法に頼っていてはじり貧になるという危機感がある。

   国内販売担当の佐藤康彦専務役員は11月1日の記者会見で、「2025年には、なりゆきで国内年間販売台数は120万台になってしまう」との見通しを示した。トヨタは年間国内販売150万台にこだわっており、30万台のギャップをどう埋めるかが目下の課題になる。

   今回打ち出したリースやカーシェアリングへの参入は、所有から利用への流れを逆手に取った施策と言える。新サービスに力を入れるほど、販売台数が食われるというジレンマに陥る。だが、クルマ離れが進む若者にまずは乗ってもらうことで将来的な購入につなげ、リースやカーシェアで使う車が増えることによる市場活性化や車の買い換えサイクル前倒しなどの効果も見込む。こうした効果を合わせ、国内販売150万台を維持しよう――というわけだ。

   11月6日に発表した2018年9月中間決算では、売上高が2年連続で過去最高を更新したトヨタ。厳しさを増す事業環境に対応し、「未来のモビリティー(移動)社会に向けた歩み」(豊田章男社長)を急ピッチで進める。

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