「乳幼児をおつれの方 リスのつめが!歯が!おはだを傷つけます ガード願います」
これは町田リス園(東京都町田市)に設置されている看板に書かれた文面だ。看板には、今にも襲いかからんばかりの凶暴そうなリスと、烈火のごとくリスを威嚇し、赤子を守ろうとする母のような人物が描かれている。
この看板の画像をさとうてつやさん(@tesato_2351)が2018年11月5日にツイッターに投稿したところ、9日17時までに4500件超のリツイートを獲得した。J-CASTニュースは11月8日、看板の絵を手がけたという副園長の福田啓一さんを取材した。
「何を描いても『福田流』になってしまいます」
町田リス園の看板は2018年3月~4月にかけても、ツイッターで話題となっていた。当時の報道では、看板は17年5月から設置されていたというが、福田さんは「それ以前にも私の絵が園内で使用されることはありました」と話した。
ツイッターでは、「絵が素敵」「傑作です」との声が相次ぎ、好評な様子。福田さんは「目を引いて、掲示内容がわかるように描いた」と話す一方で、
「これは私の画風ですね。モノマネとかコピーができなくて、何を描いても『福田流』になってしまいます」
と説明する。「誰かの画風を参考にしたわけではないですか?」と聞くと、「手塚治虫さんの表現や動きが好きなので、それを福田風にするとああなるのかな」と教えてくれた。
また、高校時代に美術部だったという福田さんは、「絵は子どもの頃からよく褒められました」と話す。受賞経験もあるというが、
「美大に行くことも考えましたが、絵で食べていくのは難しいと考え、動物を選びました」
と、当時を振り返った。
リスと接するには「ルールとテクニック」が必要
しかし看板に描かれたリスたちは、一般的な「かわいい」イメージとはかけ離れており、ツイッターでは「子供泣くぞ(笑)」「リス、恐すぎるやん」といった声も上がっている。
福田さんは「看板はみなさん喜んでくれます。特に女性にうけていますね」と話し、子連れの来園者も「リスがお化粧しているねー」という風に楽しんでいるという。「町田リス園のリスはそんなに凶暴なんですか」と聞くと、
「リスは生態系の中では一番弱い生き物なんです。だからそれなりの防御力を持っていないといけず、(人が)無防備に接すると怪我をします。(リスと接するには)ある程度のルールとテクニックが必要です」
と説明し、「看板は大げさではないと思っています」と話した。
福田さんは看板を書く際、「禁止」「ダメ」といったワードを使わないようにしているといい、話題となった看板に関して「見た人に嫌悪感を持たせない書き方をしました」「私の看板は大ひんしゅくか大絶賛のどっちかになると思ったので気を付けました」と明かしている。
また、この看板の影響で来園者が増えたかは「わからないです」と話した。