なのになぜ「U形」は廃れてしまった?
ただ、昨今の便座は、比較的「O形」が多いような気がする。 衛生面に気を遣うのは、今も昔も同じ。なのに、なぜ「O形」が普及しているのだろう?
これには、日本家屋との関係があるようだ。かつて、トイレは「和式」が一般的だった時代、同じ間取りのまま、便器だけを「洋式」に取り換えるケースが多かったという。
そのため「和式の間取りに合わせて洋式トイレを設置」→「しかし、大柄の男性には局部が便座に触れてしまい、不衛生」→「よって『U形』が主流となった」そうだ。
しかし、1950年代後半以降の高度成長期になると、マンションをはじめとした日本家屋の欧米化が一気に進行した。その結果、トイレのスペースも以前より拡大。より大きな便座をおけるようになり、大型の男性も気にすることなく座れるようになった。
加えて、
「『U形』より『O形』の方が、便座の強度的にも優れていますよね。また近年では当たり前となっている『暖房便座』の観点からみても『O形』が普及していったと考えられます」
と担当者は言う。
一説によると、人が一生に排泄する回数は、大小合わせて約20万回にも及ぶという。「トイレの日」を機に、ご自宅のトイレを見直してみよう! ヒット曲「トイレの神様」のように「べっぴんさん」になれるかもしれない。