桜田義孝・五輪相が、国会質問をめぐり「(野党議員側から)全然、(事前)通告がなくて...」とした自身の発言を撤回した。当事者の蓮舫参院議員(立憲民主)が「事前通告はした」と反論していた。
一部の「前打ち」報道では「謝罪へ」とした社もあったが、会見では謝罪の言葉は出なかった。あくまで、発言が「若干違っていた」と、「若干」の問題であるとの認識を示し、「(議員側から)問い合わせ不可とされたため...」と、恨み節ともとれる発言もあらためてつけ加えた。
「通告なし」と「接触禁止」最初からちぐはぐ
桜田大臣は2018年11月9日、閣議後の記者会見に臨み、準備されたペーパーに目を落としながら
「通告が全然なかった、と申し上げたのは、事実と若干違うので撤回させて頂きたいと思っています」
と述べた。
この問題の発端は、5日の参院予算委。大臣就任後の初国会だったが、答弁に窮する場面が相次ぎ、「ちぐはぐな答弁」と報じるメディアも。特に蓮舫氏とのオリンピック関連のやりとりの場面は、当日から翌日にかけたテレビニュースで何度も取り上げられた。
その翌6日の会見で桜田大臣は、審議が何度も中断した問題について、
「全然、(事前)通告がなくて、何も分からないと。接触禁止ということの中で、残念な議会、こんなイメージ」
と発言した。その後も「通告なしに質問した人がいた」「接触禁止だと十分な準備ができない」と繰り返した。接触禁止を伝えてきた議員について質問が出ると、軽く首をかしげ、
「それは、みなさんの方がよく知ってるんじゃないですか?」
と軽く微笑み、
「昨日は通告なしで質問する人がいたということ。名指しはあえて避けたいと思います。みなさんもご承知のことだと思いますので」
と、蓮舫氏の名前は出さなかったが、メディアも「本人」も蓮舫氏のことと思ったようだ。もっとも、このやりとりは、「通告なし」問題と「接触禁止」問題が若干、ちぐはぐな感じになっている。
その蓮舫氏は、その日のうちにテレビカメラも入るメディア取材に答え、
「全然通告がないとか、通告なしで質問する方がいたと仰られたようですが、私は通告をしています」
と反論した。