沖縄県の玉城デニー知事が2018年11月9日、東京・丸の内の日本外国特派員協会で会見し、米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古沖への移設反対を改めて訴えた。玉城氏が就任後都内で会見するのは、10月31日の日本記者クラブに続いて2回目。
日本記者クラブでの会見では、18年2月の名護市長選で辺野古移設反対派の現職市長が敗れた一因は「フェイクニュース」にあったと主張した玉城氏。今回の会見では、その理由について詳しく説明した。
「市長が球場建て替え工事をしないから、日ハムは出て行ってしまったんだ」
名護市長選では、辺野古移設反対を訴えていた無所属現職の稲嶺進氏(73)=民進、共産、自由、社民、沖縄社大推薦、立民支持=が、無所属新人で元市議の渡具知武豊氏(57)=自民、公明、維新推薦=に敗れている。玉城氏は日本記者クラブの会見で、結果について、
「いわゆるフェイクニュースによってゆがめられた情報で投票先を間違えてしまった方々もいたのではないかという結果になりましたが...」
と主張していた。
今回の会見で玉城氏がフェイクニュースの「代表的なもの」として挙げたのが、日本ハムファイターズのキャンプをめぐる問題だ。
日本ハムは1978年、投手陣のみで名護市での春季キャンプをスタート。81年から野手陣も加わって1軍キャンプ地として使用してきた。拠点の名護市営球場は老朽化が進み、改修工事が進んでいる。
前市長本人からも経緯を確認した
玉城氏によると、改修工事期間中は別の場所でキャンプを行うものの、工事が完了次第名護市に戻ってキャンプを行うことを球団と市が約束していたが、
「選挙戦で稲嶺名護市長ではない反対側を応援している側からは、『市長が球場建て替え工事をしないから、日ハムは出て行ってしまったんだ』という『フェイクニュース』が流れた」
と説明。その結果、「フェイクニュース」が若者の投票行動に影響したとの見方を示した。
「そういう情報でゆがめられて、間違った情報で、『えっ?市長が日本ハム追い出しちゃったの?』って言って相手候補に投票したという若い人たちの声を、私はじかに聞きました」
「フェイクニュース」だと判断した根拠については、
「稲嶺進市長本人から、その経緯、日本ハムファイターズと名護市との話し合いはこうなっていたんだよ、というのを確認したからです」
と説明した。
(J-CASTニュース編集部 工藤博司)