第4次安倍改造内閣で12人もいる「初入閣組」をめぐって指摘されていた「身体検査」不足が、早くも露見したようだ。片山さつき地方創生担当相の金銭問題に続いて「炎上」したのが桜田義孝・五輪担当相だ。
入閣の時点で、過去の慰安婦をめぐる発言を「マーク」する向きもあったが、入閣後は国会や記者会見でのかみ合わないやり取りが問題化。「承知していない」を連発する有様で、答弁をめぐる能力不足が内閣の足を引っ張ることになりそうだ。
基本コンセプト即答できず、「1500億円」が「1500円」に
桜田氏の過去の失言は慰安婦に関するものだ。16年1月の党会合で
「職業としての娼婦だ。ビジネスであって、これを犠牲者とするような宣伝工作に惑わされすぎている」
などと発言し、直前の15年12月に結ばれた慰安婦をめぐる日韓合意の内容と整合性が取れないとして与党内でも批判が噴出し、
「私の発言について誤解を招くところがあり、発言を撤回させていただく」
などとする談話の発表に追い込まれていた。
そのことから、入閣時点で「失言リスク」が指摘されていたが、先に顕在化したのは答弁能力不足だった。
18年11月5日の参院予算委員会では、蓮舫参院議員から聞かれた東京大会の基本コンセプトなどを即答できず、事務方の助けを借りながらやっと答弁。大会予算の国の負担分「1500億円」が「1500円」になるなどの言い間違いも目立ち、汗をぬぐいながら答弁した。