現状のビザは抜け穴の度が過ぎる
例えば、先進国の就学ビザでは原則労働禁止であるが、日本では1週28時間以内は可能とか、抜け穴の度が過ぎる。先進国のビザは、就労条件について厳格に定められており、その点日本のビザでは曖昧であることが問題だ。この際、入管法改正によって、先進国並みの在留資格において就労条件の明記が必要である。そして、それを適切に運用することによって、邦人の雇用が失われないようにしなければいけない。
と同時に、在留者やその家族の社会保障制度などの適用においても、これまで不適切使用が何度も指摘されてきたので、誰からも文句の言われないような制度作りも必要である。
++ 高橋洋一プロフィール
高橋洋一(たかはし よういち) 元内閣参事官、現「政策工房」会長
1955年生まれ。80年に大蔵省に入省、2006年からは内閣参事官も務めた。07年、いわ
ゆる「埋蔵金」を指摘し注目された。08年に退官。10年から嘉悦大学教授。著書に
「さらば財務省!」(講談社)、「『年金問題』は嘘ばかり」(PHP新書)、「未来年表 人口減少危機論のウソ」(扶桑社新書)など。