来年、日本で開催されるラグビーW杯で、史上初の「8強以上」を目指す日本代表にとって追い風だ。同大会で使用されるギルバート社(英国)製の新公式球「シリウス」が、今月3日の対ニュージーランド戦(東京・味の素スタジアム)で、初お目見えした。海外の「パワーラグビー」に対し、ハンドリング、パスやキックといった技術で対抗していく日本にとっては、試合を有利に進められる公算が高くなる。
体育で使用した「新品のバスケットボール」を想像していただきたい。表面に粒々があり、指先や手のひらにフィットして、パスやドリブルはもちろん、シュートの感覚までしっかりと伝えられる...。そういった経験をお持ちの方も多いだろう。
実は、ラグビーボールにも「滑り止め用」としての細かい突起が表面上にあるのだ。
と、ここまではよく知られている話かもしれない。だが、今回、お目見えした「シリウス」は一味違う。
大小2つの「星型突起」という技術革新
というのも、ギルバート社製「シリウス」の表面には、通常の粒々ではなく「大小2つの星型突起」があるのだ。通常のボールより突起部を多く複雑にしたことにより、雨の日でもハンドリング性が増し、より滑りにくくなったという。
事実、日本代表を率いるリーチマイケル主将も
「すばらしいボールだ。雨が降っても滑らないだろう」
と、一部報道でコメントしている。
またW杯を統括するワールドラグビーのビル・ボーモント会長も
「シリウスボールは、技術と進化の最前線を表現している。来年、日本で選手たちのパフォーマンスを助長するだろう」
と声明を発表している。